











漫画中のラーメンの価格は例え話の仮定です。AIによる配送相談の場面は将来構想です。特定案件での会社利益の扱いは一例であり、全案件に共通する条件ではありません。
はじめに|本当に、お客様のためだけ?
ここ3日間、北条送運のAI活用について紹介してきました。
第1日目は、商談内容を正確に記録し、荷主企業様の課題を取りこぼさないためのAI活用。
第2日目は、AI検索を通じて、物流に困っている荷主企業様が適切な運送会社を見つけやすくするための情報発信。
第3日目は、運送会社を見つけた後、できるだけ少ない操作で配送可否や概算運賃を確認できる仕組みの構想。
いずれも、目指しているのは荷主企業様の利便性を高めることです。
しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。
北条送運は営利企業です。
利益を出さなければ、事業を継続できません。
それなのに、なぜこれほどまでに「お客様のため」を強調するのでしょうか。
今回は、いつもより少し踏み込んだ質問を代表の益子にぶつけてみました。
1. 「お客様のため」って、綺麗事ではありませんか?
――益子さん、ここまでのAI活用のお話を聞いていると、何をするにも「お客様のため」という言葉が出てきますよね。
益子:
「そうですね」
――でも、北条送運も営利企業です。お客様のためと言いながら、本当は自社の利益や業務効率化が目的なのではありませんか?
益子:
「そこは、切り分けて考えているんですよね」
――切り分ける、というのは?
益子:
「お客様のために、サービスを良くするとか、目の前の技術を磨くとか、少しでも便利にするとか。
そこは全力で考えます」
――それとは別に、利益も考えるわけですね。
益子:
「もちろんです。事業としてやっている以上、それを維持するためにはお金がかかりますから」
お客様のために何を提供するか。
そのサービスを続けるために、どう収益を確保するか。
北条送運では、この二つを対立するものではなく、それぞれ考えるべき経営課題として捉えています。
2. 良いサービスには、それに見合った対価が必要
――お客様のためを考えることと、利益を追求することは矛盾しないのでしょうか?
益子:
「矛盾しないと思いますね。
それに見合ったお金をいただけるようにするために、磨けるところを磨くんです」
サービスの品質を上げるには、時間も費用もかかります。
安全な運行を維持するための車両整備。
ドライバーの技術向上。
配送品質を高めるための工夫。
そして、荷主企業様が利用しやすくなるための仕組みづくり。
これらは、いずれも費用や労力を必要とします。
だからこそ、提供する価値を高め、それに見合った適切な対価をいただくことが重要になります。
お客様のために努力することと、適切な利益を得ることは、両立させなければならないのです。
3. 世界一おいしいラーメンを作れたとしても
ここで益子は、飲食店を例に挙げました。
――例えば、どんなことでしょうか?
益子:
「例えば、世界で一番おいしいラーメンを作れたとしますよね」
仮に、誰もが絶賛するほどおいしいラーメンを作れたとしても、その一杯を提供するためには材料費がかかります。
店舗の家賃や光熱費も必要です。
働く人への給与も支払わなければなりません。
さらに、おいしさを維持するための研究や技術の向上にも費用がかかります。
もし、そのラーメンを採算の取れない価格で提供し続ければ、どれほどお客様に喜ばれていても、やがて店を続けられなくなるかもしれません。
運送業も同じです。
良いサービスを提供することだけではなく、そのサービスを継続できる経営が必要になります。
※このラーメン店の説明は、益子が挙げた例え話をもとにした編集上の補足です。
4. 綺麗事を言うだけでは、お客様のためにならない
――そう考えると、「お客様のため」という言葉にも責任が伴いますね。
お客様に便利な仕組みを提供したい。
もっと良い配送サービスを実現したい。
もっと安全に荷物を運びたい。
そうした理想を掲げること自体は難しくありません。
しかし、それを実際のサービスとして提供し、維持し続けるためには、技術も人材も資金も必要です。
だからこそ、綺麗事を口にするだけでは十分ではありません。
理想を実現できるだけの実力と、事業を続けられる収益力を備えること。
それもまた、お客様のために必要なことだと北条送運は考えています。
5. AI活用も、同じ考え方
今回のAI活用編で紹介した取り組みも、この考え方につながっています。
商談内容を正確に記録すること。
運送会社の特徴を正しく発信すること。
配送の相談や見積もりの負担を減らすこと。
これらは、北条送運にとって業務改善や営業活動の効率化につながる可能性があります。
しかし、そこで得られる効率を、運送会社だけの利益として考える必要はありません。
荷主企業様に同じ説明を繰り返していただく負担を減らす。
必要な運送会社を探す時間を減らす。
配送できるか分からない不安を減らす。
そうした価値を提供できれば、荷主企業様にとっても意味のあるAI活用になります。
ただし、これらの仕組みの中には、まだ構想・開発段階のものもあります。
理想を語ることと、実現できていることは区別しなければなりません。
一つひとつ実現可能性を確かめながら、サービスとして形にしていくことが必要です。
6. 北条送運が目指す「高品質」と「高収益」
北条送運では、事業の価値を次の三つの観点から考えています。
安全運行・高品質・高収益。
安全運行は、事故や配送ミスを防ぎ、約束した仕事を確実に行うための基礎です。
高品質は、その基礎の上に、荷主企業様から「また頼みたい」と思っていただける価値を積み重ねることです。
高収益は、磨いた技能や知識、提供できる価値に見合った対価を得ることです。
利益を確保するために品質を犠牲にするのではありません。
品質を高め、その価値を適切に評価していただく。
そして得られた収益を、事業の維持やさらなる改善につなげる。
この循環をつくることが重要だと考えています。
おわりに|「お客様のため」を、実行できる会社であるために
「お客様のため」という言葉は、確かに綺麗事に聞こえるかもしれません。
しかし、その言葉を実現するためには、現実的な経営が必要です。
技術を磨くこと。
サービスを改善すること。
安全を守ること。
その価値に見合った対価をいただくこと。
そして、得られた収益を次の改善につなげること。
北条送運が目指しているのは、お客様のためという言葉を掲げるだけの会社ではありません。
お客様のためになることを、実際に行い、継続できる会社であること。
AI活用も、そのための手段の一つです。
綺麗事を実行できなければ、お客様を幸せにはできない。
だからこそ、理想だけで終わらせず、技術と経営の両面を磨き続けていきたいと考えています。
北条送運合同会社
安全運行・高品質・高収益を大切に、荷主企業様の物流課題に向き合う軽貨物運送会社。
北条くんの日常|AI活用編・第4日目・完