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漫画の商談場面はテーマを伝えるためのイメージです。AI商談振り返りアプリは構想・開発段階で、実運用や成果を示すものではありません。録音やAIによる処理には商談相手の了承と適切な情報管理が必要です。

はじめに|営業の勉強と聞いて、どう感じますか?

「営業の勉強をしています」

運送会社からそう聞いたとき、荷主企業様はどのような印象を持つでしょうか。

もっと契約を取るためでしょうか。

営業トークを上達させるためでしょうか。

あるいは、商品やサービスを上手に売り込むためでしょうか。

もちろん、営業活動を改善する以上、事業の成長につなげたいという目的もあります。

しかし、北条送運が考える営業の役割は、それだけではありません。

営業とは、お客様の課題を解決するためのすり合わせの場でもある。

今回は、北条送運が参加している「軽貨物営業因数分会」の活動と、そこで最近話題になっているAI活用について、代表の益子に話を聞きました。


1. 軽貨物営業因数分会とは?

軽貨物営業因数分会は、軽貨物運送事業者が会社の垣根を越えて、営業活動について学び合う取り組みです。

毎週月曜日に開催され、参加者が前週の営業活動を振り返ります。

どのような企業を訪問したのか。

誰と話をしたのか。

どのような課題を聞くことができたのか。

どんな提案を行ったのか。

そして、次はどのような行動を取るべきなのか。

こうした内容を共有し、参加者同士で意見を交わします。

一般的な営業会社であれば、社内の営業会議や上司との面談などで行われることもある取り組みです。

しかし、軽貨物運送業界では、経営者自身が営業活動を担うケースもあります。

その場合、自分の営業活動を第三者の視点から振り返る機会は限られてしまいます。

そこで、会社の垣根を越えて営業活動を振り返る場を設けています。

営業を経験や感覚だけに頼らず、体系的に考え、改善していく。

それが軽貨物営業因数分会の重要な役割の一つです。


2. 営業を学ぶ目的は、売り込むことだけではない

そもそも、なぜ軽貨物運送事業者が営業活動を学ぶ必要があるのでしょうか。

その理由を考えるうえで、まず知っていただきたいことがあります。

それは、軽貨物運送には、企業の物流課題を解決できる可能性が数多く存在するということです。

例えば、急な配送依頼。

定期便では対応しきれない荷物。

配送頻度や納品時間の調整。

あるいは、既存の配送方法を見直すことで解決できる問題もあるかもしれません。

しかし、荷主企業様が軽貨物運送の活用方法を知らなければ、選択肢として検討することもできません。

運送会社側も、自ら荷主企業様と接点を持たなければ、企業がどのような課題を抱えているのか知ることができません。

つまり、営業には双方をつなぐ役割があります。

まだ知られていない物流の選択肢を届け、荷主企業様の課題と解決方法を結びつける。

そのために営業活動を学ぶことにも、大きな意味があると考えています。


3. 最近の話題はAI活用へ

軽貨物営業因数分会では、営業活動の振り返りだけでなく、さまざまなテーマについて議論しています。

営業に関する基礎知識の共有。

物流業界のニュースや課題。

そして最近、特に関心が高まっているのがAIの活用です。

営業活動でAIを使うと聞くと、提案資料の作成や文章作成を思い浮かべる方も多いかもしれません。

もちろん、そうした活用も可能です。

しかし、議論はそこだけにとどまりません。

例えば、

「どうすれば荷主企業様が、もっと手間なく配送を発注できるだろうか」

「どうすれば必要としている企業に、自社のサービスを見つけてもらえるだろうか」

「どうすれば商談で聞いた課題を、正確に記録できるだろうか」

こうしたテーマについても考えています。

つまり、AIを単なる営業支援の道具としてではなく、荷主企業様との関係を改善するためにも活用できないかということです。


4. 商談で起きる、営業担当者とお客様のすれ違い

ここで、少し商談の場面を想像してみてください。

営業担当者は、自社のサービスを紹介し、お客様に役立つ提案をしようとしています。

一方、荷主企業様は、日々の業務で困っていることや、解決したい問題について話しています。

一見、同じ目的に向かっているように見えます。

しかし、実際には少しずつ関心がずれてしまうことがあります。

営業担当者は、自社の商品やサービスで対応できる部分に注目しやすくなります。

一方、荷主企業様が求めているのは、必ずしも特定の商品やサービスではありません。

本当に求めているのは、自社が抱えている課題の解決です。

例えば、荷主企業様が「配送の手配に時間がかかる」と話したとします。

営業担当者は、新しい配送サービスを提案するかもしれません。

しかし、実際の問題は配送そのものではなく、発注までの社内確認作業にあるかもしれません。

この場合、配送サービスを提案するだけでは、本当の課題を解決できない可能性があります。

だからこそ、営業では相手の話を正確に理解することが重要なのです。


5. お客様の課題を、そのまま残せないだろうか?

商談では、営業担当者がさまざまなことを同時に行っています。

相手の話を聞く。

質問する。

自社でできることを考える。

必要な情報をメモする。

そして、次の提案につながる内容を整理する。

これらを同時に行うことは、決して簡単ではありません。

さらに、商談が終わってから内容を思い出そうとしても、すべてを正確に再現できるとは限りません。

重要な言葉を忘れてしまったり、後から自分なりの解釈が加わったりすることもあります。

そこで考えているのが、AIを活用した商談記録の仕組みです。

大切なのは、単に会話を文字にすることではありません。

荷主企業様が語った課題を、営業担当者の都合で変換せず、できるだけ元の意味を保って記録すること。

これは、営業活動を改善するうえで重要な取り組みになると考えています。


6. AIによる営業振り返りアプリの構想

現在、軽貨物営業因数分会に関連する取り組みとして、AIを活用した営業振り返りアプリを構想しています。

基本的な考え方は、商談の内容を記録し、AIを使って振り返りやすく整理するというものです。

例えば、商談相手の了承を得て会話を録音したとします。

その内容を文字に起こし、AIによって分類・整理します。

ここで活用したいのが、営業活動における「五大要素」です。

軽貨物営業因数分会では、営業の基本となる要素を大切にしています。

商談の中で、適切な自己紹介ができていたか。

必要な質問ができていたか。

お客様の課題を十分に聞き取れていたか。

こうした点を、記録された内容から振り返れるようにする構想です。

さらに、お客様から聞いた課題や要望、次回確認すべき事項などを整理することで、次の商談につなげやすくしたいと考えています。

ただし、このアプリは現在構想・開発段階です。

AIによる文字起こしや内容の分類には誤りが生じる可能性もあります。

そのため、記録をそのまま正しいものと判断せず、営業担当者が確認することも重要です。

また、商談の録音やAIによる処理にあたっては、相手の了承、情報の管理、機密情報や個人情報への配慮が必要になります。

便利であることだけを優先するのではなく、安心して活用できる仕組みを目指すことも欠かせません。


7. 本当に大切なのは、お客様の時間

ここまでの話を聞くと、AIの導入によって営業担当者の仕事が楽になるという印象を持つかもしれません。

もちろん、業務効率化も目的の一つです。

しかし、今回の取り組みには、もう一つ大切な視点があります。

それは、荷主企業様の時間です。

営業担当者との商談に応じるために、荷主企業様は忙しい業務の中から時間を確保してくださっています。

その時間は、決して無限ではありません。

もし、前回話した内容が正しく記録されておらず、次の商談でもう一度最初から説明することになったら、どうでしょうか。

荷主企業様にとっては、余計な時間と手間がかかってしまいます。

一方、前回の内容を正確に把握できていれば、次の商談では、その続きを話すことができます。

「前回伺った課題について、このような方法を考えてみました」

そうした提案から話を始められれば、商談はより具体的で、意味のある時間になるはずです。

AIによって営業担当者の負担を減らすことが、結果として荷主企業様の負担を減らすことにもつながる可能性があるのです。


8. 営業活動の改善は、サービス向上につながる

営業活動の改善というと、契約件数や売上の増加に注目しがちです。

もちろん、運送会社が事業を継続するうえで、適切な売上や利益を確保することは重要です。

しかし、それだけでは十分とはいえないのではないでしょうか。

お客様の話を正確に聞くこと。

課題を理解すること。

必要な情報を整理すること。

そして、次の提案につなげること。

こうした基本的な取り組みを改善することで、荷主企業様との関係も変わっていく可能性があります。

営業担当者にとっての業務改善と、荷主企業様にとってのサービス向上は、必ずしも別々のものではありません。

むしろ、互いにつながっていると考えています。

軽貨物営業因数分会で取り組んでいることも、単に契約を増やすための営業技術の習得ではありません。

荷主企業様の課題に対して、より適切な提案ができるようになること。

そのために営業活動を振り返り、新しい技術の活用方法を考えています。


9. AIは目的ではなく、手段である

AIは、さまざまな仕事を効率化できる技術です。

しかし、AIを導入すること自体が目的になってしまっては意味がありません。

重要なのは、その技術によって何を改善できるのかということです。

営業担当者の作業時間を短縮すること。

お客様の話を正確に記録すること。

課題の聞き漏らしを減らすこと。

次の商談の質を高めること。

そして、荷主企業様にとってより良い提案につなげること。

こうした目的があって初めて、AIの活用に意味が生まれると考えています。

営業を楽にするAIではなく、お客様との約束を守るためのAI。

それが、今回の取り組みを通じて目指している方向性です。


おわりに|営業の進化は、お客様のために

軽貨物営業因数分会では、毎週の営業活動を振り返りながら、さまざまな改善方法を考えています。

営業の基本を学ぶこと。

企業の課題を理解すること。

新しい技術を活用すること。

一見すると、それぞれ別の取り組みに見えるかもしれません。

しかし、その根底にある考え方は共通しています。

荷主企業様の課題を正しく理解し、より良い解決方法を提案できるようになること。

そのためには、営業担当者自身が学び続けなければなりません。

そして、新しい技術が役立つのであれば、積極的に研究していくことも必要です。

北条送運は、営業活動を単なる売り込みの場とは考えていません。

荷主企業様と課題を共有し、解決方法を一緒に考えるための大切な接点だと考えています。

AIの活用についても同じです。

技術を使うことが目的ではなく、荷主企業様との関係をより良いものにすることが目的です。

これからも北条送運は、新しい技術や考え方を取り入れながら、荷主企業様の物流課題に向き合っていきます。


北条送運合同会社

安全運行・高品質・高収益を大切に、荷主企業様の物流課題に向き合う軽貨物運送会社。

北条くんの日常|AI活用編・第1日目・完