











漫画の会話・人物・施設の描写は、益子のインタビューをもとに構成したものです。今回の案件は提案段階で、北条送運による受注・一人体制への変更・コスト削減は未実現です。経路図は、各納品先への複数回の往復を含む配送順序の概念図です。実際の運行経路や往復回数を示すものではありません。所要時間は益子の経験に基づく例で、道路状況により変わります。
はじめに
配送先が二つある。
一つは倉庫から近い場所。もう一つは、少し離れた場所。
そんなとき、近い配送先から回ろうと考える方は多いのではないでしょうか。
しかし、道路の混雑状況によっては、近い場所から回ることが、必ずしも効率的とは限りません。
今回は、北条送運の代表・益子に、実際に荷主企業様へ行った配送改善の提案について話を聞きました。
テーマは、配送ルートの組み立て方と運送コスト。
単に運賃を下げるのではなく、配送の順番や運行体制を見直すことで、何が変わるのでしょうか。
1. 運送会社は地域を何で認識しているのか?
――益子さん、普段配送するとき、地域をどのように認識していますか?
益子:
「私の場合は、大きな道路がどこにあるかですね。
例えば、この地域なら国道246号線、国道129号線、国道16号線。
そういった幹線道路を基準に考えることが多いです」
――駅を基準にすることはないのでしょうか?
益子:
「正直、あまりないですね。
普段から車で移動しているので、駅を意識すること自体が少ないんです。
むしろ、道路の方が重要ですね」
――なぜでしょうか?
益子:
「道路によって、混む時間帯も違えば、混む方向も違うからです。
同じ道路でも、朝と昼では状況が違いますし、反対方向なら比較的流れていることもあります。
だから、どこを通るかだけじゃなくて、いつ、どちらの方向に走るかも重要なんです」
2. 保土ケ谷バイパス周辺での配送
――具体的な事例はありますか?
益子:
「あります。
去年から今年にかけて、スポット配送でお付き合いのあった荷主企業様に、定期配送の提案をしたことがあるんです」
その案件には、二つの納品先がありました。
それぞれの納品先に対して、複数回往復する配送です。
益子:
「そのうち一つが、倉庫から比較的近いんです。
距離にすると、だいたい5キロくらい。
普通に考えれば、近い方から配送したくなりますよね」
――確かに、近い方から済ませたくなります。
益子:
「でも、その配送先へ向かうには、保土ケ谷バイパス周辺を通る必要があるんです。
この周辺は、朝の時間帯に非常に混雑することがあります。
距離は5キロ程度でも、状況によっては30分から40分かかることもある。
だから、近いからといって先に行くのが正解とは限らないんです」
3. 二つの納品先を二人で担当していた
――その案件では、どのような配送体制だったのでしょうか?
益子:
「二つの納品先を、それぞれ別のドライバーさんが担当していたんです」
それぞれのドライバーが、担当する納品先へ配送する。
つまり、二つの納品先に対して、二人のドライバーを手配している状態でした。
――配送は一日中かかっていたのでしょうか?
益子:
「いや、そうでもないんです。
それぞれ午前11時くらいには配送が終わっているんですよ」
――そうすると、比較的早い時間に配送が完了しているわけですね。
益子:
「そうなんです。
ただ、荷主企業様としては、軽貨物を二つ手配すると、それなりに運送費がかかるわけです。
その費用について、少し負担を感じていらっしゃったんですね」
4. 二人の仕事を一人でできないだろうか?
――そこで、益子さんはどのような提案をしたのでしょうか?
益子:
「私は、まずこう聞いたんです。
この二つの納品先を、一人で担当することはできないんですか、と」
――運賃の値下げではなく、配送体制そのものを見直そうとしたんですね。
益子:
「そうですね。
二人で配送しているから、二人分の費用がかかるわけですよね。
だったら、そもそも二人必要なのか。
そこから考えた方がいいと思ったんです」
ただし、二人の業務を一人にまとめるには、配送ルートの工夫が必要になります。
そこで重要になるのが、道路の混雑状況でした。
5. 近い配送先を、あえて後回しにする
――具体的には、どのようなルートを考えたのでしょうか?
益子:
「朝の時間帯に、保土ケ谷バイパス周辺を通ると混雑します。
だったら、そこを朝に通らないようにすればいい。
まずは、もう一つの納品先への配送を午前中に終わらせる。
その後で、保土ケ谷バイパス方面の倉庫へ向かう。
そういう順番を提案したんです」
――距離だけを見ると、近い配送先が後になるわけですね。
益子:
「そうです。
でも、配送で大事なのは、必ずしも近い順番に回ることではないんです。
道路が混雑する時間帯を考えて、どうすれば効率よく回れるかを考える。
今回の場合は、その順番を変えることがポイントでした」
6. 配送ルートの見直しが運送コストに与える影響
――その提案には、どのようなメリットがあったのでしょうか?
益子:
「一番分かりやすいのは、運送コストを下げられる可能性があることですね」
二人のドライバーで行っていた配送を、一人で担当できるようになれば、荷主企業様の運送費を見直せる可能性があります。
ただし、単にドライバーを一人減らせばよいという話ではありません。
荷物の量や積載条件、積み下ろしに必要な時間、納品先の受け入れ時間、道路の混雑状況なども考慮する必要があります。
これらの条件を満たせなければ、一人で担当することは難しいでしょう。
大切なのは、配送に必要な条件を確認したうえで、無理のない運行計画を組み立てることです。
今回の提案も、実際の運行条件を確認しながら、実現可能性を判断していく必要があります。
7. 提案は魅力的でも、すぐに変更できるとは限らない
――ちなみに、その提案は実際に採用されたのでしょうか?
益子:
「実は、まだうちの会社ではその仕事を受けていないんです」
――そうだったんですね。
益子:
「今も、それぞれの配送を担当しているドライバーさんがいるんですよ。
だから、提案したからといって、すぐに北条送運へ切り替えるわけにはいかないんです」
現在の配送には、すでに担当しているドライバーがいます。
運送費を削減できる可能性があったとしても、既存の配送体制をすぐに変更できるとは限りません。
益子:
「ただ、今後どちらかのドライバーさんが辞めるようなことがあれば、そのタイミングで提案を実現できる可能性はあると思っています」
――今すぐ受注するためだけの提案ではないんですね。
益子:
「そうですね。
荷主企業様が困っていることに対して、こういう方法もありますよ、と提案する。
実際に切り替えるタイミングは、荷主企業様の事情もありますからね」
8. 運送費を下げる方法は、値下げだけではない
今回の事例で重要なのは、単純な運賃の値下げを提案したのではないことです。
二つの納品先に、二人のドライバーを手配している。
その運送費が負担になっている。
だからといって、一人ひとりのドライバーに運賃を下げてもらうことだけが解決策ではありません。
配送先を回る順番を変える。
道路が混雑する時間帯を避ける。
二つの配送を一人で担当できないか検討する。
こうした運行計画の見直しによって、運送コストを改善できる可能性があります。
もちろん、すべての配送で同じ方法が使えるわけではありません。
しかし、現在の配送体制を当たり前のものとして考えるのではなく、一度見直してみる価値はあるのではないでしょうか。
おわりに|配送の順番を変えるという発想
距離が近い配送先から回る。
一見すると合理的な判断です。
しかし、実際の道路には、混雑する時間帯や方向があります。
近い配送先を先に回ることが、必ずしも最も効率的とは限りません。
今回、北条送運が提案したのは、二つの納品先を一人で担当する可能性を、配送ルートの見直しによって探ることでした。
現時点では、まだ提案段階です。
実際に一人体制へ切り替わったわけでも、運送コストの削減が実現したわけでもありません。
それでも、今の配送体制を見直すという考え方には、荷主企業様にとって検討する価値があります。
もし現在、複数のドライバーを手配していて、運送コストに課題を感じているのであれば、まずは配送スケジュールを確認してみませんか。
「その配送、本当に今の順番で回る必要があるだろうか?」
「二人で担当している配送を、一人で行う方法はないだろうか?」
そんな疑問から、新しい配送方法が見つかるかもしれません。
北条送運では、荷主企業様の配送条件やスケジュールを確認し、対応可能な方法を一緒に考えていきます。
北条送運合同会社
神奈川県央を中心に、荷主企業様の物流課題に向き合う軽貨物運送会社。