












北条送運では、あえて「ドライバーファースト」という言葉を掲げていません。
これは、ドライバーさんを大切にしていないからではありません。
むしろ逆です。
ドライバーさんも大切です。
同じように、荷主企業様も大切です。
どちらか一方の立場だけに立って物事を決めるのではなく、双方にとって今より良い状態をつくっていく。
そのために話し合い、提案し、現実的な着地点を探していく。
それが、北条送運の仕事だと考えています。
どちらか一方だけを「ファースト」にしない
もし営業先で、
「うちはドライバーさんを一番に考えている会社です」
とだけ伝えたら、荷主企業様からすれば、
「では、私たちのことはどう考えているのだろう」
と思われても不思議ではありません。
反対に、荷主企業様のところでは何でも
「おっしゃる通りです」
と答えておきながら、普段はドライバーさんに向けて「ドライバーファースト」を掲げているのであれば、それも違うと思っています。
営業は、相手に合わせてその場を取り繕うことではありません。
まして、相手を言葉で丸め込むことでもありません。
自分たちができること、できないこと。
荷主企業様にとって大切なこと。
ドライバーさんにとって大切なこと。
それぞれをきちんと出したうえで、双方が長く続けられる着地点を探していく。
北条送運では、そこを営業だと考えています。
ときには荷主企業様にも厳しいことを言う
だから、ときには荷主企業様に厳しいことをお伝えすることもあります。
たとえば、現場の負担が少しずつ増えている場合です。
最初は、
「ついでに、これもやっておいてください」
という程度だったものが、何度か続くうちに、それが当たり前になることがあります。
すると、最初に決めた業務内容ではなく、追加された仕事を含んだ状態が新しい基準になってしまいます。
そして、そこからさらに、
「これもついでにお願いします」
となっていく。
一回一回は小さなことでも、それが積み重なると、現場の負担は確実に大きくなります。
その結果、人が定着しなくなれば、最終的に困るのは荷主企業様でもあります。
だから私たちは、
「その負担が積み重なると、結果として御社の安定した配送も維持しにくくなります」
とお伝えすることもあります。
言われたことを何でも引き受けることが、必ずしも荷主企業様のためになるわけではありません。
長く安定して配送を続けられる状態をつくること。
その方が、結果として荷主企業様にとっても大きなメリットになると考えています。
「過剰サービスはしない」
北条送運では、ドライバーさんにも、
「過剰サービスは自己判断でやらないでください」
と伝えています。
もちろん、現場で少し気を利かせること自体を否定しているわけではありません。
ただし、最初に決めた業務内容以外のことを継続して行うのであれば、一度相談してほしい。
そう考えています。
なぜなら、一度の好意が、いつの間にか「やって当然」に変わってしまうことがあるからです。
そして、その負担を背負うのは現場のドライバーさんです。
最初に決めた業務内容を基準にする。
変更するなら、荷主企業様と話し合って変更する。
誰かの善意だけで現場を成立させない。
それも、長く続く配送をつくるために必要なことだと思っています。
荷主企業様のために「誰でも現場に送らない」
一方で、荷主企業様の立場に立ったときに大切にしていることもあります。
その一つが、
「誰でも現場に送らない」
ということです。
ちょうど人を募集している案件があり、
「その仕事をやりたいです」
というドライバーさんが来た。
その人をそのまま案件に入れてしまえば、目先ではとても簡単です。
人も埋まります。
手配する側も楽です。
ただ、北条送運ではそこで一度考えます。
この人を本当にこの荷主企業様のところへ入れて大丈夫なのか。
荷物を運ぶことだけなら問題がなくても、荷主企業様の担当者と日常的に接する現場では、それだけでは足りません。
現場で起きたことをきちんと伝えられるか。
相手と話し合えるか。
状況を整理し、次の人に引き継げるか。
荷主企業様に安心してもらえる対応ができるか。
特に、新しい案件の立ち上げ時に入る人間は慎重に考えます。
なぜなら、最初に入った人がその現場の基準をつくるからです。
最初の現場は、ただ「走れればいい」わけではない
これまで、新しく始まる案件については、できる限り私自身が最初に走ってきました。
実際に現場へ行き、
荷物の流れを見る。
担当者と話す。
どこで時間がかかるのかを見る。
注意する場所を確認する。
そして、
「この現場はこういう仕事です」
と、次の人へ言葉で引き継げる状態にしていく。
単純に、
「なんとなくできそうだった」
ではなく、
「なぜこうするのか」まで言語化して渡す。
そこまでやって初めて、安定した案件になると考えています。
これからは、私以外の人間が新規案件の立ち上げを担当することも増えていくと思います。
それでも考え方は変わりません。
最初に誰を入れるか。
その人が現場を理解し、荷主企業様とコミュニケーションを取り、それを次へ引き継げるか。
そこは、これからも慎重に見ていきます。
北条送運が探しているのは「最適解」
誰か一人を優先すれば、物事は簡単になることがあります。
荷主企業様の要望をすべて受ける。
あるいは、ドライバーさんの希望をすべて優先する。
その方が、判断自体は楽かもしれません。
でも、それでは長く続かないことがあります。
北条送運がやりたいのは、その間にある、
「双方が長く続けられる最適解」
を探すことです。
それには手間がかかります。
話し合いも必要です。
時間もかかります。
ときには簡単には答えが出ません。
それでも、他の人が面倒だからと放棄してしまうような難しいところを整理し、より良い形を探していく。
私は、そういう仕事が嫌いではありません。
むしろ、北条送運がやる意味は、そこにあると思っています。
「ファースト」という言葉より、実際にどうするか
もちろん、「ドライバーファースト」を掲げ、本当にドライバーさんを大切にしている会社もあります。
その言葉自体を否定するつもりはありません。
ただ、北条送運では、言葉よりも実際に何をするかを大切にしたいと考えています。
誰でも現場に入れない。
過剰サービスを常態化させない。
必要なら荷主企業様にも改善をお願いする。
一方で、荷主企業様の事情や要望もきちんと聞く。
そのうえで、双方にとって続けられる方法を探す。
だから北条送運は、
「ドライバーファースト」でも、
「荷主企業様ファースト」でもありません。
どちらかだけを一番にするのではなく、
荷主企業様とドライバーさん、双方にとって長く続く配送をつくる。
それが、私たちの考え方です。